9月の本部で、最低賃金の掲示物を店舗数ぶん印刷している。文面はひとつ、「10月1日から時給が変わります」。同じ紙が、全店に同じ便で出ていく。
この記事は、2つ以上の県に店舗がある会社の本部担当者に向けて書きます。店舗が1つの県に収まっているなら、この分け方は要りません。宛先の分け方そのものに悩んでいるなら、「一斉送信すれば伝わる」が、指示の実行率を下げていることがあるのほうが近い話です。
県ごとに違うのは、額よりも先に「日」のほう
額が都道府県ごとに違うことは、たいていの会社が知っています。見落とされるのは、その額に切り替わる日のほうです。
令和7年度の実績を並べます。
| いつ発効したか(令和7年度) | 都道府県の数 |
|---|---|
| 10月中 | 20 |
| 11月 | 13 |
| 12月 | 8 |
| 年をまたいで2026年 | 6 |
10月中の20県のうち、10月1日そのものだったのは栃木県だけです。年をまたいだ6県は、福島・徳島・熊本・大分が1月1日、群馬が3月1日、そして秋田が3月31日でした。
いちばん早い栃木が2025年10月1日、いちばん遅い秋田が2026年3月31日。その差は181日、およそ半年あります。
「10月1日から」の1枚で、実際に何が起きるか
ずれる方向は必ず「早すぎる」側です。令和7年度で最も早い発効が栃木の10月1日なので、それより前の県はありません。群馬(2026年3月1日)に10月1日付の掲示を貼れば、約5ヶ月のあいだ、実際と違う日付が店内に出たままになります。最も遅い県なら、およそ半年です。
- 掲示の中身が合わない。法令上、周知すべき事項に発効の日付が含まれます(最低賃金法施行規則第6条)。額が合っていても、日付が違えば中身が違う
- 店舗から問い合わせが来る。「うちはまだ変わらないですよね?」に、県ごとに答えることになります
今年の日付はまだ出ていません。令和8年度は目安が示された段階で、県ごとの額と発効日は、これから各地方の審議会が答申し、各都道府県労働局長が決めます。決まってから慌てるより、決まる前に県で分けておくほうが楽です。
やることは、掲示物の日付を店ごとに変えるだけです
掲示物はもともと店舗の数だけ刷って配ります。全社共通の1枚をやめて、店ごとに日付を書き分けます。群馬の店には3月1日、栃木の店には10月1日。それだけで合います。新しい管理の仕組みは要りません。
日付は、厚生労働省の最低賃金特設サイト・地域別最低賃金の全国一覧で引けます。見るのは「発効年月日」の列です。施行規則の言葉は「効力発生年月日」ですが、指しているものは同じで、この違いで探しあぐねることがあります。
店が1つの県に収まっているなら、ここで終わりです。日付は1つしかありません。
紙で配ろうとすると、これを半年くり返すことになります
書き分けること自体は難しくありません。難しいのは、それを出す日が県ごとに違うことです。令和7年度は10月に20県、11月に13県、12月に8県、年をまたいで6県。最も早い県と遅い県で181日、開きがあります。
発効日に合わせて掲示物を出すなら、これを10月から翌3月まで、県のまとまりの数だけ繰り返すことになります。まとめて一度に出せば楽ですが、それをやると「早すぎる日付」に戻ります。
法が挙げている周知の方法は、作業場の見やすい場所への掲示か、その他の方法です。掲示だけとは決まっていません。
1回きりなら、県別に紙を差し替えるだけで済みます。合わなくなるのはその先で、発効日が半年近く散らばる年を毎年繰り返すとなると、県の数だけ日付の違う通知を毎年つくり直して出し続けることになります。通知そのものをデジタル化したほうが、管理は楽になります。
配信の予約ができると、181日の散らばりが問題でなくなります
アラモは、宛先を店舗ごとに分けて、日付を書き分けたお知らせをそれぞれの店に出せます。
配信する日時も指定できます。県ごとの発効日が分かった時点で、県の数だけ日時を指定して作っておけば、あとは指定日に自動で配信されます。半年にわたって発効日を覚えておく必要も、その日に送信操作をする必要もありません。
紙をやめれば、刷って送る手間そのものが無くなります。残るのは、県の数だけ文面の日付を変える作業です。ここは配信にしても減りません。
アラモが引き受けるのは、どの店にどの中身を、いつ出すかという仕分けまでです。周知が済んだかどうかを判断するのは、会社の側の仕事として残ります。なお、店舗へ連絡を出す時間帯そのものの線引きは、時間外のLINE業務連絡は違法かで別に整理しています。
まとめ
- 県ごとに違うのは額だけではない。変わる日も違う。令和7年度は10月1日発効が栃木の1県だけで、最も遅い秋田までの差は181日
- ずれる方向は必ず「早すぎる」側。掲示の中身が合わず、店舗からは「うちはまだ変わらないですよね?」が県ごとに来る
- やることは、店ごとに日付を書き分けること。難しいのは書き分けではなく、出す日が10月から翌3月まで散らばること
- その散らばりは、出す日を先に指定できれば問題でなくなる
今年の県別の日付は、これから決まります。決まってから動くと、10月から翌3月まで、県の数だけ同じ作業が返ってきます。いま決めておけるのは、どの店がどの県か——それだけです。
30分のデモでは、店舗ごとの宛先に発効日を指定して予約配信するところまでを、実際の画面でお見せします。
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