多店舗の「報告と集計」が手作業で回らなくなる構造と、その直し方
店舗が増えるほど本部の集計が膨らむのは、連絡ツールのせいではありません。報告を受け取る作業と、集計し直す作業が分かれているのが原因です。本部の「打ち直し」を減らす直し方を、3つの考え方で整理します。
月初になると、本部の担当者が全店ぶんの報告を一件ずつ開いては、Excel に数字を打ち込んでいる——心当たりはないでしょうか。
店舗が 2〜3 店のうちは、口頭や LINE® でも報告は十分に回ります。ところが 5 店、10 店と増えると、なぜか本部の手元で報告が詰まり始めます。多くのチェーン本部に共通する悩みです。
このとき「連絡ツールが悪いのかな」と考えて別のチャットに乗り換えても、たいてい状況は変わりません。詰まっているのは連絡ではなく、集まった報告を本部が手作業で集計し直しているところだからです。この記事では、集計が溜まる仕組みと、その直し方を整理します。
なぜ集計が手作業で溜まるのか
報告が本部で渋滞しているとき、たいていこんな状態になっています。
- 店舗ごとに報告の形がバラバラ(写真の店、長い文章の店、電話の店)
- 売上や客数といった数字が文章に埋もれていて、いちいち拾わないと集計できない
- 報告がトーク履歴に流れていき、後から全店ぶんを並べて見られない
- 本部の担当者が報告を一件ずつ読んで、Excel に手で打ち直している
ポイントは、報告を「受け取る」のと「集計する」のは別の作業だということです。チャットは受け取るところまでは助けてくれます。でも、バラバラの形で届いた報告を集計できる形に整え直す作業は、結局そのまま本部の人の手に残ります。店舗が増えるほどこの打ち直しが増えて、気づけば集計だけで午前中が終わっている、という本部担当者もいます。
「連絡」と「集計」は分けて考える
連絡ツールの役割を、2 つに分けて考えてみます。
| 工程 | やること | チャットの設計目的 |
|---|---|---|
| 連絡 | 指示を伝える・報告を受け取る | ここに向けて作られている |
| 集計 | 全店の報告を一覧に並べ、数字を足し合わせる | 連絡とは別の作業で、手作業が残りやすい |
LINE をはじめ一般的なチャットは「連絡」に向けて設計されています。だから「連絡が届かない」「遅い」という悩みには力を発揮します。一方で「集計が終わらない」という悩みは、連絡そのものとは別の作業の話です。
ここで「集計」を、さらに 2 つに分けて考えるのがコツです。ひとつは、散らばった報告を読んで Excel に打ち直す作業。もうひとつは、並んだ数字を足し合わせる計算。後者は Excel の関数が一瞬で片づけてくれます。本部の時間を奪っているのは、たいてい前者の「打ち直し」のほうです。
報告があちこちに散らばったままだと、ツールを替えても、この打ち直しは本部に残りやすくなります。乗り換えを考えるなら、機能の比較表を見る前に、自社で詰まっているのが「連絡」なのか、それとも「打ち直し」なのかを見極めるのが先です。
集計の詰まりを直す3つの考え方
直す方向は、大きく 3 つです。
1. 報告を一か所に集める
報告の経路がバラバラ(写真の店、文章の店、電話の店)だと、それだけで本部の手間になります。まずは報告を一つの場所に集めるところから。聞きたい項目が決まっているなら、アンケート形式(選択肢で答えてもらう形)にしておくと、後の整理がラクになります。
2. 集めた報告を、そのまま書き出す
集めた報告を本部が一件ずつ読んで Excel に打ち直していると、その転記がそのまま作業量になります。集めた報告をそのまま一覧で書き出せるようにすれば、読んで拾って打ち直す工程をまるごと省けます。残った合算や並べ替えは、書き出したデータの上で Excel の関数が片づけてくれます。消えるのは、午前中をつぶしていた「打ち直し」のほうです。
3. 本部の時間を「集計」から「判断」に回す
打ち直しの手間が減ると、本部の時間は数字を作る作業から、数字を見て手を打つ判断に移ります。たとえば、欠品が続く店のフォローや、好調な売り場の横展開。多店舗運営で本部が本来やるべきなのは、こちらのはずです。見方を変えれば、打ち直しの手作業は本部の判断する時間を奪ってしまっている、とも言えます。
図の説明(テキスト版)
手作業の集計では、店舗からバラバラの形で届いた報告を本部が読み、Excel に手で転記してから集計する。途中に「読む」「転記する」という人の手が挟まる。一方、報告を一か所に集めてそのまま Excel に書き出せるようにすると、本部が読んで拾って打ち直す工程がなくなり、合算は書き出したデータの上で済むので、判断に時間を使える。
flowchart TD
subgraph G1[手作業の集計]
direction TB
A[バラバラの形で報告] --> B[本部が読んで転記] --> C[集計]
end
subgraph G2[集めて書き出す]
direction TB
D[ひとつの場所に集める] --> E[そのままExcelに書き出す] --> F[本部は判断に集中]
end
どこから手をつけるか
全部の報告を一度に変える必要はありません。まずは打ち直しに一番時間がかかっている報告を 1 つ選んで、一か所に集めて書き出すところから始めるのが現実的です。日次の売上、売り場の写真、棚卸しの数値——よく扱う報告を一本そうするだけでも、本部に残っていた打ち直しを減らせます。
アラモは、本部から店舗への指示と、店舗からの報告(写真+コメント)をひとつのスレッドにまとめられる業務連絡ツールです。スレッドに集まった報告は、本文・コメント・アンケート回答を Excel に一括で書き出せます。本部が一件ずつ読んで数字を拾い、手で打ち直していた転記を、書き出しひとつに置き換えられます(合計や並べ替えは、書き出した Excel の上で)。アラモでできることは機能一覧にまとめています。
自社のどこに手作業が残っているかは、実際の報告の流れを一緒に見ながら整理するのが一番早いです。30分のデモでは、御社の報告を 1 つ画面に流して Excel に書き出すところまでお見せします。「読んで打ち直す」がどれだけ減るかを、その場で確かめられます。
なお、そもそも LINE での業務連絡を続けるべきか迷っている段階の方は、LINE から業務連絡を「卒業」するタイミングと判断軸もあわせてご覧ください。
※ 「LINE」は LINEヤフー株式会社の登録商標です。本記事は「連絡」と「集計」という業務目的の違いを整理することを目的としており、特定サービスの優劣・性能を比較・断定するものではありません。各サービスの機能・料金は提供元の公式情報をご確認ください。