店舗を回る担当者がいます。専任で置いている会社もあれば、仕入れや管理の担当が兼ねている会社もあります。取引先を回り、店を見て回る。一日の多くが移動で埋まります。店に着けば、売場を見て、店長の相談を聞いて、本部で決まったことを伝えて、前回お願いした件を確かめる。次の店へ移動する。
この形は長く機能してきました。現物を自分の目で見て、その場で判断を返す。多店舗の運営でいちばん効くのは、いまもこの2つです。
この記事では、その2つに時間を使い切るために、残りをどう組み替えるかを書きます。多店舗の連絡ツールを作っている側からの提案です。
巡回の中身は、性質の違うものが同居している
店に行ってやっていることを、中身で並べます。
- 現物を見る。商品の状態、売場の作り、棚の欠品
- 人と話す。店長の相談を聞き、その場で判断を返す
- 伝える。本部で決まったこと、今週の重点、注意事項
- 確かめる。前に伝えたことが実行されているか
上の2つは、行かないとできません。現物も人も、その場にあります。
下の2つは、その場にいなくても成立します。いまは訪問の中に入っているので一緒に運ばれていますが、性質が違います。
伝達を訪問から外すと、内容が揃う
本部の決定を訪問のついでに口頭で伝えると、店ごとに伝わり方が変わります。回る順番によって、知る日が数日ずれます。話す相手も、その日いた人になります。
これを全店へ同時に出す形にすると、同じ文面が同じ日に届きます。受け取るのは、その日いた人ではなく、対象にした全員です。文字で残るので、聞き逃しても後から読み返せます。
店長の側にも効きます。前に言われたことをもう一度 本部に聞き直す電話が要りません。担当者が交代したときも、何を伝えてきたかが残っています。
確認を訪問から外すと、待たなくてよくなる
実行の確認を次の訪問でやると、確かめられるのは次に行ったときです。その間、できていない店があっても分かりません。
伝えた内容を読んだかどうかが名前で分かると、待つ必要がなくなります。読んでいない店には、その日のうちにもう一度 届けられます。手が回っていない店だけを、次の訪問先に選べます。
急ぎの連絡ほど、この差が出ます。1軒ずつ電話で確かめなくても、画面で分かります。
残った訪問は、密度が上がる
伝達と確認が外れると、店に行く理由は現物と人の2つになります。
| いままで | これから |
|---|---|
| 前回の指示の確認から話が始まる | 実行済みの前提で、次の話から始まる |
| 全店を同じ頻度で回る | 手が回っていない店に回数を寄せる |
| 着いてから伝達と確認で時間が減る | 着いた時間を売場と相談に使う |
回数が減るという話ではありません。同じ時間で見られる中身が変わる、という話です。
それを支える道具
アラモは、本部から店舗へのお知らせを配信して、誰が読んだかが名前で分かる連絡ツールです。
本部の決定は、その場にいなくても全店へ同時に出せます。出したあと、読んだ人と読んでいない人がそれぞれ名前で一覧に出ます。未読・未回答の人にだけリマインドを送ることもできます。過去のお知らせは残るので、後から読み返せます。
道具が引き受けるのは、伝えることと、伝わったかを確かめることです。
この形にしておくと、人が替わっても続く
効くのは巡回の密度だけではありません。多店舗の連絡ツールを作っている側から見て、あとから効いてくるだろうと考えているものが3つあります。数字で示せる段階ではないので、見立てとして書きます。
担当できる人の幅が広がります。移動を前提にした仕事は、担当できる人が移動できる人に限られます。伝達と確認が場所に縛られなくなると、その条件が外れます。育児や介護の事情がある人、遠方に住んでいる人も担当に入れます。
引き継ぎが軽くなります。口頭で伝えてきた会社では、担当が替わると何を伝えたかが分かりません。文字で残っていれば、後任にまとめて渡せます。管理者が過去のお知らせを引き継ぐ操作をすると、着任前の配信もさかのぼって読めます(最大3年)。人の入れ替わりが前提の職場ほど、この差は大きくなります。
若手が早く育ちます。本部がどんな判断をどんな言葉で伝えてきたかが、残っています。先輩の車に同乗して覚えるしかなかった部分が、読んで分かる形になります。
どれも、道具を入れただけでは起きません。伝えることと確かめることを場所から切り離した結果として付いてきます。
働き方は、採用の場面でも見られている
もう1つ、社外に出る効果があります。人を採るときです。
応募者は複数の会社を並べて見ています。面接で仕事の進め方を説明すると、入る前の想像がそこで決まります。口頭で伝えて、次に行ったときに確認する、という説明だけだと、入った後の一日は想像しにくいものです。
採用の難しさを道具で解決できる、という話ではありません。ただ、働き方は求人票に書いていないところで伝わります。同じ条件で並んだときの分かれ目は、そこにあるかもしれません。
まとめ
- 巡回の中身は4つに割れる。現物を見る、人と話す、伝える、確かめる
- 上の2つは行かないとできない。下の2つは行かなくても成立する
- 伝達を全店同時に出すと、内容と日付が揃い、文字で残る。店長が本部に聞き直す電話も減る
- 確認が即日できると、次の訪問を待たずに手が回っていない店が分かる。訪問先の選び方が変わる
- 場所に縛られない形にすると、担当できる人の幅が広がり、引き継ぎが軽くなり、判断の根拠が若手に見える
- 働き方は採用の場面でも見られる。面接で説明する仕事の進め方が、入った後の一日の想像になる
いま巡回している担当者の一日を、この4つで割ってみてください。下の2つに使っている時間が、そのまま現物と人に回せる時間です。
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